2013年2月22日金曜日

改正省エネ基準

昨日、仙台市にて、
改正省エネ基準の勉強会に参加しました。

改正省エネ基準って
これからの家づくりにとって、
すごく重要な法改正なんです。
なぜかというと、近い将来
(たぶん7年後です。早まる可能性もあります。)
住宅の省エネ基準義務化されます。
省エネ基準をクリアしない住宅は、
建てられなくなるという事です。

「なーんだ まだ先の話か・・・」
「まだ大丈夫なんでしょ?」
いやいやいや
先の話でも大丈夫でもないです。

今、建てている家がこの基準をクリアしていないと、
何年後かに義務化された後では、
「既存不適格住宅」という
不名誉な住宅になってしまいます。
そうなってしまうと、
もし、中古物件で売りに出そうとしても、
値段が下がりする一方ですよ。
今からちゃんと取り組まないといけません。

さて、改正省エネ基準って
なにが改正されたかというと、

今までの家の断熱性能を示すには、
熱損失係数(以下Q値)というものがありましたが、
法改正により、今年の10月から、
Q値ではなく、

外皮平均熱貫流率(UA値以下)という基準
        +
1次エネルギー消費量(J)という基準

の2本立てとなります。

いままでの基準のQ値は、
全ての断熱部位の熱損失の合計を、
延べ床面積で割っていた為、
同じ性能の断熱材で作った家が
隣同士で2件あったとしても、
30坪の家と50坪の家では、
Q値も違った結果になり、
分かりづらかったんです。

尚且つ、Q値でわかることは、
住宅自体の性能のみで、
使っている暖冷房・給湯器・照明などの
器具類に対してまでは、
踏み込んでいない性能値でした。
よく考えてみれば、
もちろん住宅自体の性能も大事なんですが、
電気代・石油代・ガス代などの光熱費が
一番かかる器具類も重要ですよね。

今度のUA値は、
全ての断熱部位の熱損失の合計を
出すまでは一緒ですが、
それを、断熱部位の合計面積で
割った数字に変わります。
これにより、住宅の大きさに
あまり左右されない基準になります。

さらに1次エネルギー消費量の基準もプラスされます。
UA値で住宅の断熱性能が証明されたら、
次は、住宅で使用する器具類の性能も計算します。
去年までゼロエネなどで使っていた
1次エネルギー消費量計算式ではなく、
新1次エネルギー消費量計算式になりました。

1次エネルギー消費量の計算をするには、
まずは、
①物件名
②床面積
  主たる居室・その他の居室・非居室で分けて計算
③省エネ地域区分/年間日射地域区分
④外皮平均熱還流率(UA値)
⑤単位日射強度あたり冷房期日射取得量(mc値)
  冷房を使う時期に日射がどれだけ室内に影響を及ぼすかという数値です。
⑥単位日射強度あたり暖房期日射取得量(mH値)
  暖房を使う時期に日射がどれだけ室内に影響を及ぼすかという数値です。
⑦自然風の利用(換気回数5回/h・20回/h)
  居室に窓がいくつあり、どの方向についているかで決まります。
⑧蓄熱の利用
  壁や床などにどれだけ蓄熱できるか計算します。
以上の8つの項目を入力します。

次に、器具類の性能を入力します。

暖房設備の種類・性能
冷房設備の種類・性能
換気の種類・性能
換気回数
給湯設備の種類・性能
給水・給湯配管の種類
キッチン・浴室・洗面の水栓の種類
浴槽の保温措置の有無
太陽熱給湯の有無
照明器具の種類
(LDK・寝室・子供室・非居室)
太陽光発電の有無
(容量・種類・方位・設置傾斜角)
コージェネレーションの有無

以上をすべて入力します。
すると・・・・・
 
 

このように1次エネルギー消費量が出てきます。
この計算により、この住宅に住んで、
1年間にかかる光熱費をおおよそですが、
計算できるようになります。
車と同じで、燃費で住宅を選ぶ時代がきますね。

またの機会にご説明させていただきますが、
低炭素建築物認定制度も開始されました。
低炭素住宅の申請にも
この1次エネルギー消費量計算が必要です。

まだまだ覚えなければいけない事がたくさんあります。
しっかり勉強して、
お客様に対して、
よりよいご提案ができるように
がんばります。